[昭和46年]ビージーズの名曲と共に「小さな恋のメロディ」

小さな恋のメロディ

中学校の行事として毎年、体育館で映画上映会が催されました。
その時に観た「小さな恋のメロディ」が、この歳になっても心の奥で
優しい光を放ち続けています。

1971年(昭和46年)6月。日本で公開されたイギリス映画。
英国では原題を「Melody」と言いますが、「Melody」では意を表していないと
制作会社の意向で「SWALK」に変更されてしまいます。
「SWALK」とは、「Sealed with A Loving Kiss」の略…。
ラブレターの最後に書き記す言葉で、
「愛を込めたキッスで封をしました」との意味だそうです。
意味を知れば、なるほど~と納得できますが、
もし、映画の邦題が「小さな恋のメロディ」ではなく、「SWALK」だったら、
きっと日本では、分かりづらいものになったかもしれません。


映画公開後、主人公のマーク・レスターとトレイシー・ハイドは、
映画雑誌等に紹介されて、大人気となりました(笑)



物語は、思春期を目前にした11歳の気弱な男の子ダニエル(マーク・レスター)と
メロディ(トレイシー・ハイド)の幼い恋の物語…。
そこに貧しい家の悪ガキ・トムが関わって、友情…冒険…反抗…そして、恋を綴ります。
今の映画のような、どんでん返しもストーリーの工夫はありません。
しかし、全編に流れるビージーズの曲と、シックなロンドンの街並みが、
小さな二人の恋物語を、童話の世界の事のように思わせてくれます。


恋を実らせた二人は、教室で「ぼくたち結婚します」と宣言します。
戸惑いながらも祝福を誓う友達たち…。
しかし、それを知った先生達は大騒ぎ。「どうして、いけないの?」の問いに、
ただただダメと言うばかり。この下りの伏線は、歴史の授業のシーンにありました。
ウェリントンのイベリア遠征について、先生が黒板にこう書きます。「STMTBMC」。
Saucy Turtles Make Terrible Bath Mats,Charlie
(いせいのいいカメはひどいバスマットになるよ、チャーリー)
日本で言うところの「1192(いい国)作ろう鎌倉幕府」の暗記法と同じなんですね。
それに対して、トムは暗記法よりも「なぜスペインと戦ったのですか」と、質問します。

ただ知識を押しつける学校じゃなく、
子供の「何故?」に真っ向から答えなければ、
子供は大人を信用しなくなってしまいます。


結婚を反対された二人は、子供達だけで結婚式を挙げようと計画…。
それを知った先生たちは、止めに車で向かいます。
爆弾マニアの友達の爆弾が、爆発して。先生の車は炎上~!!
そりゃもう大騒ぎの中…ダニエルとメロディは、トロッコに乗って旅立っていきます…。

線路の先で、二人にどんな運命が待っているのでしょう?
不確実な未来への不安と、二人で漕ぎ始めた今の幸せが交錯します。
中学生の頃、この映画を観ました。少年から、大人の狭間で
トロッコに乗る二人の姿が、自分に重なったような気がしましたね。

子供の頃、楽しいからずっと遊んでいました。
大人は、それを見て「いつまで遊んでいるの?」と叱ります。
子供の私は言います。「何故、遊んではいけないの?」と。

今、大人になった私は、その何故にどこまで答えられるだろうか?

ビージーズの曲が、やけに心に染みます…

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